家族の加入について

健康保険では、被保険者だけでなく、被保険者に扶養されている家族にも保険給付を行います。この家族のことを「被扶養者」といいます。被扶養者として認定されるためには、「国内居住」のうえ、「家族の範囲」と「収入」について一定の条件を満たしている必要があります。

POINT
  • 被扶養者となるためには、健康保険組合の認定を受けなければなりません。
  • 被扶養者の異動があった場合は、5日以内に届出をしてください。

家族の範囲

被扶養者となれる家族の範囲は、三親等内の親族と決められています。さらに、同居・別居により、条件が異なります。

被扶養者となれる家族の範囲 親等図
  • ※別居の場合は生計維持関係の証明として、仕送証明書が必要です。
    (配偶者、16歳未満の子および子で学生も不要)
  • ※同居(同一世帯)とは、被保険者と住居・家計を同じくしている状態をいいます。二世帯住宅は台所やリビングが別れていたり、家計が別々で被保険者からの支援がない場合は同一世帯とはみなされません。また、マンション等の号室違い、同じ敷地内の別棟は別居とみなされます。

収入の基準

被扶養者となるためには、「主として被保険者の収入によって生活していること」が必要で、同居・別居の有無、年間収入により判断されます。

同居している場合 別居している場合
対象者の年収が130万円(60歳以上または障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者は180万円)未満で、被保険者の収入の2分の1未満であること 対象者の年収が130万円(60歳以上または障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者は180万円)未満で、かつ、その額が被保険者からの仕送額より少ないこと
  • ※健康保険における年間収入とは、暦年(1月~12月)の総収入ではなく、被扶養者の認定(再確認)する日以後1年間に見込まれる収入をいいます。
  • ※被扶養者の収入とは原則として次に示すような継続的に生じる収入すべてを含みます。
    • 給与収入(交通費等の非課税収入および賞与を含む総収入)
    • 各種年金(遺族年金、障害年金、個人年金、恩給なども含む)
    • 雇用保険失業給付金
    • 投資収入(株式配当金)
    • 利子収入(預貯金など)
    • 不動産賃貸収入(土地、家屋、車庫等)
    • 事業所得(最低限の必要経費を差し引いた額)
    • 傷病手当金・出産手当金
    • 被保険者以外の者からの仕送り(生計費・養育費等)
    • その他、実質的に収入と認められるもの

(備考)

  • 雇用保険失業給付金を受給される期間は、給付日額が下記の金額以上の場合、扶養にはなれません。
    (60歳未満:日額3,612円、60歳以上:日額5,000円)
  • 退職金や土地売却代、高年齢求職者給付金等の一時的な収入は除きます。

認定日について

原則的に事実が発生した日から5日以内の届出ですが、当健康保険組合では下記の取扱いを行っています。

  • 事実発生日から1ヵ月以内の受付(健保到着日)  →事実発生日まで遡って認定します。
  • 事実発生日から1ヵ月を超える受付(健保到着日) →原則、健康保険組合に到着した日で認定します。
  • ※1,2いずれも添付書類等がすべて確認できた場合に限ります。

事実が発生した日とは・・・

出生においては出生年月日、婚姻の場合は婚姻年月日、退職の場合は退職年月日の翌日(資格喪失日)、その他の理由の場合は、事実が発生した年月日となります。

夫婦共同扶養について

「夫婦共同扶養」とは

夫婦共同扶養の子を被扶養者として申請するときは、過去の収入、現在の収入、将来の収入により「今後1年間の収入見込み」を算出し、夫婦で収入が高い方の被扶養者とします。
よって、健康保険組合で被扶養者の認定の審査を行う場合は、過去の収入書類だけではなく、現在~将来の収入確認(休業中の給与の有無、各種給付金の受給額など)のための書類を提出いただきます。
(令和3年8月1日受付の届出より)

収入の考え方

年間収入(過去、現時点、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだもの)が多いほうの被扶養者とする。
夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合、主として生計維持する者の被扶養者とする。

認定されている被扶養者の取り扱い<年間収入が逆転した場合>

育児休業等を取得している被保険者にすでに被扶養者となっている子は、特例的に異動しない。

年間収入の逆転による、被扶養者の削除手続き

「被扶養者異動届」に下記3点を添付して届出

  • 東亞合成健康保険組合の保険証(該当する被扶養者のもの、2025年12月1日まで)
  • 資格確認書(交付されている場合)
  • 配偶者の加入する健康保険組合で、被扶養者に認定されたことが分かるもの
    (資格情報のお知らせ等)

扶養を異動する場合の注意

夫婦の年間収入の逆転によりお子様を扶養から削除する場合は、年間収入が多くなった方の保険者が扶養認定することを確認して削除します。
当健康保険組合へ扶養申請される場合は、審査した結果、認定されてから旧保険者へ削除手続きをすることとなります。

お子様の被扶養者申請にあたり添付する書類 申請者である被保険者の配偶者(夫婦共同扶養者の相手)の収入を証明するもの。
  • 今後1年間の収入を見込んだもの
    (直近連続3ヵ月の給与明細書(写)、育児休業等取得の場合:育児休業等取得時収入確認表)
  • 前年のすべての「源泉徴収票」(写)、または「課税証明書」等のいずれか1点
  • ※上記で判断できない場合は、別途書類をご提出いただきます。
  • ※配偶者が申請者の扶養家族となっている場合、または配偶者本人が当健康保険組合の被保険者の場合は不要です。

自営業の方へ

自営業の方へ

「年収の壁」に対する政府の施策について(2023年10月より)

参考リンク

「年収の壁」とは

「年収の壁」とは、税金や社会保険料が発生する基準となる年収額のことです。
健康保険等の被扶養者がパートタイマー等で働き、年収が一定以上になると、被扶養者ではいられなくなり、健康保険や国民健康保険等の被保険者となりますが、そうなると社会保険料の負担が発生して、結果として手取り収入が減少する場合があります。
社会保険における「年収の壁」は、企業規模の違い等により、年収106万円と年収130万円の2つがあります。

(出典:「年収の壁」への当面の対応策(厚生労働省))

年収106万円の壁

従業員51人以上の企業、賃金月額88,000円以上(年収:約106万円以上)等、一定の条件を満たす場合は、社会保険料が発生。

参考リンク
年収130万円(※)の壁 被扶養者の認定基準を満たさなくなるため、条件を問わず、社会保険料が発生。
  • ※60歳以上または障害者は180万円

年収130万円の壁に対する対応

被扶養者認定は前年の課税証明書等の確認で行われていますが、人手不足による労働時間延長等に伴い一時的に年収が130万円以上となる場合は、事業主の証明を添付することにより、収入見込額が130万円以上であっても、引き続き被扶養者の認定を受けることができるようになります。
(同一の者について原則として連続2回までを上限とします)

年収106万円の壁に対する対応

社会保険適用促進手当(※)の支給等、労働者の収入を増加させる支援を行った企業に対して一定期間助成が行われます。

※社会保険適用促進手当

短時間労働者への被用者保険の適用を促進するため、非適用の労働者が新たに適用となった場合、当該労働者の保険料負担を軽減するために支給することができる手当です。
社会保険適用促進手当は、給与・賞与とは別に支給するものとし、保険料算定の基礎となる標準報酬月額・標準賞与額の算定対象に考慮しないこととされます。

  • ※対象者:標準報酬月額が104,000円以下の方。
  • ※報酬から除外する手当の上限額:被用者保険適用に伴い新たに発生した本人負担分の保険料相当額。
  • ※最大2年間の措置。

被扶養者認定における国内居住要件の追加について

2020年4月より、健康保険の被扶養者認定の要件に、国内居住要件が追加されました。日本国内に住所を有していない場合、2020年4月1日以降は、原則として被扶養者の認定はされません。(海外留学等、一定の例外あり)

国内居住要件の考え方について

住民基本台帳に住民登録されているかどうか(住民票があるかどうか)で判断し、住民票が日本国内にある方は原則、国内居住要件を満たすものとされます。

  • ※住民票が日本国内にあっても、海外で就労している等、明らかに日本での居住実態がないことが判明した場合は、国内居住要件を満たさないと判断されます。

国内居住要件の例外

外国に一時的に留学している学生等、海外居住であっても日本国内に生活の基礎があると認められる場合は、例外として国内居住要件を満たすこととされます。

【国内居住要件の例外となる場合】

  • ① 外国において留学をする学生
  • ② 外国に赴任する被保険者に同行する者
  • ③ 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
  • ④ 被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者
  • ⑤ ①から④までに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者

国内居住者であっても、被扶養者と認められない場合

医療滞在ビザで来日した方、観光・保養を目的としたロングステイビザで来日した方については、国内居住であっても被扶養者として認定されません。

経過措置について

国内居住要件の追加により被扶養者資格を喪失する方が、施行日(2020年4月1日)時点で国内の医療機関に入院している場合、経過措置として、入院期間中は資格が継続されます。

被扶養者の異動(変更)があったら

結婚や出産等により被扶養者が増えたときや、就職や別居、死亡等で、それまで被扶養者に認定されていた家族が被扶養者の認定基準を満たさなくなった場合は手続きが必要です。なお、当健康保険組合では、被扶養者の資格を確認するための検認を行っています。